JOURNAL 

    カスタムスニーカーアーティスト cozy west氏

    カスタムスニーカーを通じて、鈑金塗装の技術の素晴らしさを世界に発信

    • #トピックス

    2021/11/09

    ブームの火付け役は鈑金塗装工場の塗装技術者

     カスタムスニーカーアーティストのcozy west氏は、経験年数25 年を数える塗装技術者。イラストレーターだった母親の影響から、多彩な“色”に囲まれ育った幼少期。そこで養われた色彩感覚は、鈑金塗装の世界でもすぐさま頭角を現し、スーパーカーの塗装を任されるなど技術者として輝かしい実績を積み上げてきた。
     カスタムスニーカーとの出会いは中学生のころ。コレクションするスニーカーを自分好みにカスタマイズし始めたのがきっかけ。その後も趣味程度に制作を続け、ある日、インスタグラムに作品を投稿したところ、瞬く間に拡散され、ブームを巻き起こした。
     今ではパイオニアとして、鈑金塗装工場での業務外の時間を使い、アーティスト活動に精を出す。

    鈑金塗装の技術を応用してスニーカーを制作

     使用する塗料は、自身がアンバサダーを務めるスペインの塗料ブランド「TARRAGO」のアクリル系水性塗料。素材に合わせて塗料を使い分け、調色した塗料をミニスプレーガンやエアブラシ、筆などで色を付ける。
     その際、クリーニング(脱脂)だけで塗ることも可能だが、必ず密着力を高めるために足付けの工程を加え、素材によってはプライマーを吹き付けることもある。また、エナメル加工された素材は塗料をはじきやすいため、スプレーガンの吐出量を絞って塗るなど、鈑金塗装の技術が存分に応用されている。
     カスタムスニーカーはゼロから生み出すクリエイティブな側面があるのが、鈑金塗装との大きな違い。同氏の場合、あらかじめ図面などは引かず、頭の中でイメージを膨らませて作り込んでいくため、2 ヵ月掛けて1足を制作する。
     塗装技術者とアーティストの二足のわらじを履く同氏だが、根底にあるのは鈑金塗装の技術への熱い思い。「厳しい環境や苦しい時を経て、ここまでやってこられたのは、先輩方の教えがあったからこそ。恩返しのためにも、鈑金塗装の技術を次の世代につなげたい」。
     カスタムスニーカーが世間に受け入れられたということは、鈑金塗装で身に付けたスキルだけで人々を魅了することができるという証明でもある。「若い人たちに、真面目におもしろいことをやっている大人がいることを見せてやりたい」。カスタムスニーカーを通じて、鈑金塗装の技術の素晴らしさを世界に発信していく。

    インスタグラムアカウント @cozy.west
       

    使用するアクリル系水性塗料

    ミニスプレーガンなどを使い、塗料を吹き付ける

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