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車検証の電子化で継続検査の諸手続はどうなる?【IAAE2021セミナーレポート06:国土交通省自動車局自動車情報課】

運輸支局などへの出頭が不要になるばかりか、車両情報や整備情報も電子車検証から読み取れるようになる!?

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2021/05/04

 3月17~19日にオンラインで開催された自動車アフターマーケットの総合展示会「IAAE2021 ONLINE Vol.1」で、総計43本が無料公開されたセミナー。

「自動車検査登録手続のデジタル化~自動車OSS及び自動車検査証の電子化について~」には、国土交通省自動車局自動車情報課の森原紀代子課長補佐が登壇。自動車検査登録手続のデジタル化に向けた同省の取り組みについて講演した。

 菅義偉内閣では行政のデジタル化が重要政策の一つに掲げられているが、自動車関連ではオンラインでの一括申請を可能にする「自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)」に加え、その効果を高めるため、指定工場での車検証有効期間などの更新を可能とする「自動車検査証(車検証)の電子化」が推し進められている。

 なお、近年話題となっている押印の廃止については、政府全体では押印が必要とされていた1万4992件もの行政手続うち83件のみ存続。その中で自動車検査・登録手続については、新規登録、移転登録、抹消登録、抵当権の登録、登録の抹消、抹消した登録の回復といった、所有権の得喪に直接影響し厳格な本人確認が必要な6件が残されることとなった。

国交省自動車情報課の森原紀代子氏

 さて、自動車OSSを利用した場合、どのようなメリットが得られるのか。森原氏は「警察署での車庫証明、運輸支局での検査登録申請と自動車重量税の納付、県税事務所での自動車税納付といった、別個の窓口に行かなければならない諸手続を、全てオンラインで一括して、かつ時間と場所を問わず行うことができる」ことにあるという。

 この自動車OSSは2005年12月に新車新規登録から始まり、2017年4月には中古新規・移転・変更・抹消などの登録に加え、継続検査の手続も可能とする抜本的改定を実施。2019年には輸出関連の手続も加わっている。

 また、継続検査のOSS化にあたっては、日本自動車販売協会連合会(自販連)と日本自動車整備振興会連合会(日整連)に保安基準適合証の電子化を依頼。そのほかOSSを割安、非OSSを割高とする検査登録手数料の改定や、次回自動車重量税額照会サービスの提供を2018年より実施している。

 こうした取り組みの結果、継続検査のOSSは2017年より全47都道府県、新車新規登録やその他手続は現時点で京都府、高知県、徳島県を除く都道府県で対応しており、残り3府県についても2022年度中の開始を予定している。

 しかし、OSSの利用率は新車新規登録、継続検査とも上昇傾向にはあるものの、2021年1月末時点で前者は56.1%、後者は49.0%と、「まだまだ伸びる余地はある」。

自動車OSSの概要

 そうした背景もあり国交省は、「自動車検査証の電子化に関する検討会」を2018年9月に立ち上げ、2020年6月に報告書を策定。ICカード化した車検証を2023年1月に導入すべく準備を進めている。

 では、車検証を電子化することで、継続検査手続はどのように変わるのか。

 現時点では車検証が紙で交付されるため、それを受け取るために運輸支局などに出頭しなければならない。

自動車検査証電子化の概要

 だが、道路運送車両法の一部を2019年5月に改正し、車検証のIC化および、国が管理する交付業務の委託を決定。指定整備事業者やOSS手続代行者による車検証および検査標章の更新、具体的にはICカード化された車検証のデータ書き換えと検査標章の印刷を可能とすることで、継続検査時に運輸支局などへ出頭するのを不要としている。

自動車OSSに対する車検証電子化の効果

 これに伴い、車検証の券面記載事項変更を伴わない変更登録と移転登録も、運輸支局などへの出頭が不要となることも、プラスアルファの効果として挙げている。

 さらに、車検証にICカードを用いることで、内蔵されるICチップのデータ空き領域に、より詳細な車両情報や整備情報、さらには会員情報やポイント情報といったカーオーナー向けサービス情報などを格納できるようになる。これらはまだ検討の過程にあるが、森原氏は「組織や業界の垣根を越えて連携するプラットフォームの創設につながる」ことへ、期待感を示した。

 加えて、2002年7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太の方針)」および「成長戦略フォローアップ」において、車検証および自動車検査登録手続におけるマイナンバーカード活用に向けた検討を開始することが明記されている。

 森原氏は最後に「今後も手を休めることなく、不断に制度のあり方を見直していく中で、取り組みを進めていく」と述べ、講演を締めくくった。


(文=遠藤正賢/写真=IAAE運営事務局/図=国土交通省)

電子車検証の券面イメージ

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