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広州モーターショー 2025レポート (1)
―変化スピードの速い市場を体感
2026/01/28
値下げ競争に高頻度の新モデル投入と、「ブランドの高速消費」が顕著な中国自動車市場。
モーターショーの「売るための場」への変貌と、PHEVや大型SUVへシフトするトレンドから、激変する市場の現在地を紐解く。
(写真・文:中国車研究家 加藤ヒロト)
毎年11月の恒例イベント、「広州モーターショー」が今年も閉幕した。
中国のモーターショーとしては4月に毎年交互で開催する北京・上海モーターショーが最も有名で規模も大きいが、広東省近辺を本拠地とする現地メーカーや日系合弁メーカーが多いため、広州モーターショーでの発表内容にも注目が集まる。
一方、今年は例年よりも縮小傾向が顕著で、ワールドプレミア車種も多くなかった。これには中国の各メーカーが「直近の商業的成功」を重視している面が影響しており、わざわざモーターショーで新車種をきらびやかに発表するのではなく、とりあえずライバルに遅れを取るまいと、準備ができ次第、次々と新車種を投入していくスタイルがすっかり定着してしまったためだ。ここが「未来へのビジョン」をアピールする日本のメーカーやモーターショーと決定的に異なる点だ。
日本のモーターショーは中国よりも規模が小さく、コンセプトカーばかりなのが面白くないとよく言われるが、2025年10月開催の「Japan MobilityShow 2025(JMS)」に足を運んだ中 国 メ デ ィ ア はJMSを 高 く 評 価 する。最近の中国のモーターショーは車を売るための催しになっているとし、企業やブランドの持続性が見えてこないと言うのだ。その点、日本は出展企業こそ少ないものの、世界を席巻する日本の各メーカーのビジョンを知れる絶好の機会としている。また、JMSでは車を買う層だけでなく、家族や友人を連れて楽しめる企画をたくさん用意しているのにも感心したようだ。
中国のトレンドとしては電気自動車(BEV)よりもレンジエクステンダー付きEV(EREV)やプラグインハイブリッド(PHEV)への注目が高くなっており、2025年に登場した新モデルのほとんどがEREVもしくはPHEVを用意している。また、BEV方面ではバッテリーを大きくするよりも、急速充電の性能を強化する方向で長距離運転時の不安を払拭している。
ボデータイプのトレンドは全長5m級のフラッグシップSUVが流行りを見せており、今回では新興EVメーカー・リープモーターや東風汽車のヴォヤー、上海汽車のIMなどがこぞって新型フルサイズSUVを発表した。広い室内空間は当たり前とし、少しでも効率良く走れるEREV / PHEV技術や、LiDARなどの高度な運転支援機能関連技術、そして乗り心地で市場におけるプレゼンスを発揮している。
世界トップのEVメーカー BYDは多くのブランドを擁しており、広州モーターショーでは毎年、一ホール丸ごと使って各ブースを展開する