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TOYOTA GAZOO Racing、GRヤリスの改良モデルを発表
2025/04/15
TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、GRヤリスの一部改良を世界初披露した。4月11日より全国のトヨタ車両販売店で注文受付を開始し、5月6日より発売する。
さらに、東京オートサロン2025でコンセプトモデルを披露し、モータースポーツで得た知見を織り込んだメーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」を同時に発表。こちらの発売は2025年秋以降を予定している 。
一部改良した GRヤリス(日本仕様)
一部改良したGRヤリスの主な特徴
1.GAZOO Racing Direct Automatic Transmission (GR-DAT) の進化
2024年発表のGRヤリスで初登場したGR-DATの性能が、さらに磨き上げられた 。2ペダルならではの操作性と走りの両立を目指し、スポーツ走行時のギヤ段の選択制御に細かな改良を加えることで、性能のレベルアップを図っている 。
・スポーツ走行時のドライバー操作に対する応答性を改良
・Dレンジ走行中のパドル操作でダウンシフト可能な車速領域を拡大 (2速→1速)
・パドル操作から変速開始までの時間を短縮
・マニュアルモードではスポーツモード選択時、レッドゾーン付近でのダイレクト感を向上させ、スポーツ走行時の応答性を高めた
・アクセル全開加速におけるシフトアップタイミングの最適化
・エンジン回転数の上昇が遅くなる登坂勾配では、シフトアップタイミングをわずかに遅らせ、シフトアップ後も高出力を維持する
GR-DAT
2.クルマとの一体感の進化
シャシー部品の締結ボルトの一部に、締結剛性の高い特別なボルトを採用。ステアリング操作に対する応答性と直進安定性を向上させ、クルマとの一体感を進化させた 。
- ボルト頭部サイズを拡幅 (リヤサスペンションメンバー×ボディ)
- ボルトフランジにリブ形状を追加 (フロントロアアーム×ロアボールジョイント)
- ポルトフランジの厚みを増加 (リヤショックアブソーバー×ボディ)
ボルト頭部サイズを広幅 リヤサスペンションメンバーとボデー締結部した個所
3. ショックアブソーバー及びEPSチューニングの最適化
「クルマとの一体感の進化」におけるボルトの変更や、その他一部のボルト類の締結トルクアップに合わせて、サスペンションセッティングを再度見直した。ショックアブソーバーの減衰力を調整することで、コントロールと乗り心地の両立を図っている。また、EPSチューニングでは、ステアリングのリニア感 (ステアリングを切った量に対し、1:1で操舵感が得られる感覚) の向上を目指し、プロドライバーの大嶋選手と共に幾度となく改善を重ねた 。グレードごとに異なる特性が付与されており、RZ“High performance”用は、サーキットでの走行を想定し、限界域での速さとコントロール性を追求。RZ用は、ワインディングからサーキットまで、幅広いシーンでGRヤリスの俊敏なハンドリングパフォーマンスを引き出す。
4. GR-DAT搭載車のフットレスト拡大
AT車のフットレストの面積を拡大することで、踏み込み時の操作性を向上させている。
AT車の拡大したフットレスト
5.縦引きパーキングブレーキ 全グレードでオプション設定に拡大
2024年発表のGRヤリスでは、FIA世界ラリー選手権や全日本ラリー選手権参戦で得た知見を活かした縦引きパーキングブレーキをメーカーオプションとしてRCグレードに設定していたが、当モデルより全グレードで選択可能となる。
縦引きパーキングブレーキが全グレードで選択可能に
6.Toyota Safety Senseを全車標準化
RCグレードにメーカーオプション設定としていたToyota Safety Senseを、RZ“High performance"、RZと同様に全車標準装備とする 。
メーカー希望小売価格
(消費税込み、単位:円)
GR-DAT (8AT 4WD) | 6MT (4WD) | |
RZ“High performance" | 5,330,000 | 4,980,000 |
RZ | 4,830,000 | 4,480,000 |
RC | 3,910,000 | 3,560,000 |
一部改良したGRヤリス RZ“High performance”主要諸元
項目 | 数値 |
全長(mm) | 3,995 |
全幅(mm) | 1,805 |
全高(mm) | 1,455 |
ホイールベース(mm) | 2,560 |
トレッド(フロント・リヤ) (mm) | 1,535 1,565 |
乗車定員 | 4 |
車両重量(kg) | 1,280 (GR-DAT搭載モデルは1,300) |
エンジン | 直列3気筒インタークーラーターボ |
型式 | G16E-GTS |
内径×行程(mm) 総排気量(L) | 87.5×89.7 1.618 |
最高出力(kW [PS]/rpm) | 224 [304]/6,500 |
最大トルク(N・m [kgf・m]/rpm) | 400 [40.8]/3,250~4,600 |
トランスミッション | iMT (6速マニュアルトランスミッション) or GR-DAT (8速オートマチックトランスミッション) |
駆動方式 | スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”電子制御多板クラッチ式4WD (3モード選択式) |
差動装置 フロン ト | トルセンLSD |
差動装置 リヤ | トルセンLSD |
サスペンション フロン ト | マクファーソンストラット式 |
サスペンション リヤ | ダブルウィッシュボーン式 |
ブレーキ フロン ト | ベンチレーテッドディスク (18インチアルミ対向4ポットキャリパー) |
ブレーキ リヤ | ペンチレーテッドディスク (16インチアルミ対向2ポットキャリパー) |
ホイール | BBS製 鍛造アルミホイール 8J インセット45mm |
タイヤ(フロント・リヤ) | 225/40ZR18 ミシュラン Pilot Sport 4S |
燃料タンク容量(L) | 50 |
メーカーオプション 「エアロパフォーマンスパッケージ」
アルミフード、フロントリップスポイラー、フェンダーダクト、燃料タンクアンダーカバー、リヤウイング、リヤバンパーダクトの計6アイテムすべてを同時に装着することで、効果を最大化するエアロパフォーマンスパッケージ。GRヤリスの冷却性能と空力性能を、さらに向上させる。スーパー耐久シリーズや全日本ラリー選手権を戦う中で見えてきた課題と向き合い、プロドライバーと共に開発した 。RZ“High performance"、RCにメーカーパッケージオプションとして、2025年秋以降の設定を予定 。
エアロパフォーマンスパッケージ装着車両
1.ダクト付きアルミフード
全日本ラリー選手権参戦車において先行開発し、GRMNヤリスに採用したカーボン製フードと同形状のダクト付きアルミフードを設定。高速走行中、エンジンルーム内の熱をダクトから放出し、冷却効果を高める 。
2.フロントリップスポイラー
スーパー耐久シリーズで得た知見を基に、高次元の空力バランスを実現するため、フロントリフト*3の発生を抑制し、フロントの接地感と空力バランスを高め、車両のトータルリフトバランスを向上させる 。当初はフロントリップスポイラーを除く5点のアイテムを検討していたが、プロドライバーの大嶋選手からのフィードバックを受け、より高次元のバランスを目指し、最終的にこのフロントリップスポイラーを追加採用するに至った 。
3.フェンダーダクト
ホイールハウス内に溜まる空気を後方へ放出することで、ノーズダイブ時のステアリングフィールや、コーナー入り口での操縦安定性を向上させる 。
4.燃料タンクアンダーカバー
スーパー耐久シリーズ参戦車両の安全燃料タンクの下部をフラット形状にするアイデアを採用。ボディ下部の空気の流れを最適化し、空力性能を高める 。
赤囲み部が燃料タンクアンダーカバー
5.可変式リヤウイング
大型のリヤウイングは高速域での操縦安定性に寄与し、ブレーキング時のスネーキング現象*5を抑制する 。可変式のため、サーキットなどの走行シーンに応じてウイングの角度を調整し、走りを楽しむことが可能となる 。
6.リヤバンパーダクト
リヤバンパーにおけるパラシュート効果を抑制し、Cd値を低減する。過酷なレース条件下であるスーパー耐久シリーズの現場で、空力負荷によりリヤバンパーが外れたことを受け、モータースポーツ特有の厳しい環境に対応するため開発された 。
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