JOURNAL 

ひょう害専門デントリペアで、若干25歳にして年商10億円を叩き出す若き経営者

~全国を駆け巡る“持たない経営”で ひょう害修理に風穴を開ける~

  • #インタビュー

2026/05/08

ライトホープ 代表取締役 門倉 光希(Kadokura Kouki)氏

2024年2月の設立以降、全国のひょう害地域で作業拠点を次々に展開し、迅速な作業スピードと高い仕上がり品質で年間売り上げ約10億円の実績を誇るライトホープ。滋賀県では、門倉光希社長自ら現場責任者として対策本部を運営し3ヵ月で約400台を修理するなど技術者と経営者の顔を併せ持つ。ひょう害車修理専門店LHS(Lighthope Hail Service)として独自のビジネスモデルを展開する門倉社長に目指す未来を聞いた。

̶ライトホープ設立の背景と活動方針について

 事業の原点は2022年6月に群馬・埼玉県で発生した大規模なひょう害。当時は放射線技師を目指す学生だったが、実家の自動車整備工場が被災したのを目の当たりにし、デントリペアの世界に飛び込んだ。初めは職人として技術を磨くことに専念したが、修業先で業界が抱える構造的な問題を痛感した。どんぶり勘定の経営、職人への給与支払い遅延、そして大規模災害に対応できない旧態依然としたビジネスモデル。
 このままでは優れた技術を持つ職人が疲弊し業界全体が衰退してしまう。この負の連鎖を断ち切るには自分が会社を立ち上げ、変革を起こすしかないと決意し創業した。
 我々にとって技術者は“囲うもの”ではなく、“仕事を作り、呼ぶもの”。彼らが安心して技術を発揮できる盤石な事業基盤を築くことこそ、私の存在意義であり、ひょう害車の修理ビジネスにおいて技術者が正当に評価され、持続的に活躍できる環境を構築することが使命と捉えている。そのためにも、個々の技術力に依存した経営体質ではなく、組織としての対応力と品質基準を確立することを重視している。

̶現在の市場と、そこにある課題をどう見ているか

 デントリペア業界のひょう害対応に関するビジネスモデルは、この30年間本質的に変わっていないと認識している。技術者は高い技術力を持っているにもかかわらず、その多くは個人事業主として活動しており、組織化されていない。結果、数千台規模の降ひょう被害が発生した際に、迅速かつ安定した品質で対応できる企業が国内に存在しないという課題が浮き彫りになっている。
 この市場のすき間を埋める形で海外の専門業者が参入しているが、そこにはビザの問題や作業完了後にすぐ帰国してしまうことによるアフターフォロー体制の脆弱さといった側面も存在する。これは、最終的にディーラーや保険会社、カーオーナーにまでリスクを転嫁しかねない構造だと危惧する。
 高い仕上がり品質を標準とし、作業プロセスの透明化、そして客観的なデータに基づく損害査定の仕組みが不足している。我々はこの現状を打破し、誰にとっても信頼できるパートナーになることを目指している。

̶同業他社とどのように差別化を図っているのか

 我々の最大の強みは、圧倒的な“マンパワー”と“機動力”。海外で豊富なひょう害デントリペア経験を持つ技術者との密な連携により、正規のビザを持つ優秀な日系ブラジル人技術者を、必要に応じて数10人規模で迅速に招集できる体制を構築している。ひょう害が発生すれば、営業担当者が即日あるいは翌日には現地入りし、被害規模に応じて数日から1週間で修理工場を設営する。このスピード感と職人10人で月間約300台を処理できる対応力が他社との差別化となる。2025年の静岡での降ひょうを皮切りに、長崎、愛知、群馬、埼玉、栃木、長野と全国7拠点で現場を立ち上げてきた。
 またビジネスモデルそのものがリスクヘッジとなっている点も特徴だろう。被害発生時にのみ拠点を構え、作業が完了すれば撤収する。これにより固定費を最小限に抑え、いかなる状況でも赤字にならない事業構造を実現した。さらに私自身が広報と経理を統括しキャッシュフローを完全に掌握することで可能な限りリスクを排除している。FAXや郵送といった旧来の業務プロセスを廃し、ノートPC 1つで全国の現場を動かせる体制も我々の機動力を支える重要な要素だ。

̶その強固な体制は、どのようにして築き上げたのか

  組織作りでは、3つの戦略を柱としている。第1に「社内ブランディング(インナーブランディング)」。社長である私が誰よりも働き、その姿をSNSなどで情報発信することで現場の職人からの信頼を醸成する。第2は「社外ブランディング」。当社をSNSや雑誌などのメディアに掲載してもらうことで対外的な信頼性を構築する。そして第3に「顧客へのブランディング」。顧客に対し、デントリペア修理により期待を上回る体験を提供する。
 これら戦略の根底には、「自分ができないことは人に任せない」、「人に任せるタスクは必ず自分自身が遂行できるものでなければならない」という哲学がある。私自身、技術者、フロント、営業、経理、広報といったすべての業務を経験している。各担当者に具体的な指示を出せると確信している。
 また役割分担の徹底も重要。私は自らを“社長”ではなく“広報と経理担当”と定義し、現場のマネジメントは信頼できる技術者に一任している。関わる全員がWin-Winの関係を築けるよう、目先の利益に飛びつくことなく長期的な視点で公正な利益配分を行うことを徹底している。この信頼関係こそが我々の組織力の核となっている。

̶最後に読者へメッセージを

我々は、デントリペアという優れた技術のポテンシャルを最大限に引き出し、業界全体の信頼性を向上させなくてはならない。ひょう害という予測不可能な事態において、ディーラー、損害保険会社、鈑金塗装工場の皆さまにとって、品質・スピード・対応力のすべてにおいて安心して任せられる強力なパートナーでありたい。
 今後は、全国どこで大規模なひょう害が発生しても即座に対応できる体制を強化するため、土地の確保という課題解決に向けて、大手企業との資本提携も視野に入れる。事業をさらにスケールアップさせ、ビジネスモデルの再現性を高めるための戦略的な一手と考えている。
 この業界には、まだ大きな可能性がある。我々はその可能性を信じ、皆さまとともに成長していきたい。ぜひ一度我々のサービスにご注目いただきたい。

各拠点にはライトをはじめとした必要設備を完備し、迅速に技術者が修理できる環境を整える