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スポットワーク、トラブル防止へ労務管理の徹底を 厚労省がリーフレットで注意喚起
2025/09/10
厚生労働省は、急増するスポットワークにおける労働トラブルを防ぐため、事業主向けに労務管理の注意点をまとめたリーフレットを公表した(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59197.html) 。スポットワークは「知らない」では済まされないとし、労働基準法などの遵守を求めている 。
労働契約の締結と労働条件の明示
スポットワークは、事業主とスポットワーカーが直接労働契約を結ぶ形態であり、労働基準法などの法令を遵守する義務は事業主にある 。労働契約の成立時期は、個別の状況によるが、一般的には、面接などを経ない先着順の募集では、事業主が掲載した求人にワーカーが応募した時点で成立すると考えられている 。
労働契約が成立したら、事業主は労働条件を書面で明示する義務がある 。労働条件通知書の交付はスポットワーク仲介事業者が代行する場合もあるが、交付はあくまで事業主の義務であり、その内容が適切か確認する必要がある 。
休業手当と賃金の支払い
労働契約成立後に事業主の都合で休業させたり、早上がりを命じたりした場合は、休業手当を支払わなければならない 。また、約束した賃金を全額支払うことで休業手当に代えることも可能だ 。
賃金については、労働条件通知書などで示した額を一方的に減額したり、交通費などを支払わなかったりすると労働基準法違反となる 。労働時間には、制服への着替えや清掃などの準備・後始末の時間も含まれる 。事業主の指示による待機時間も同様に賃金が発生する 。
スポットワーカーから実際の労働時間について修正の申請があった場合は、速やかに確認し、賃金を確定させる必要がある 。
労働災害とハラスメント対策
事業主は、スポットワーカーの労働災害を防止するため、労働安全衛生法に基づく安全衛生教育を実施する義務がある 。万が一、通勤途中や仕事中にケガをした場合、スポットワーカーは労災保険給付を受けることができ、その保険料は事業主の負担となる 。
さらに、ハラスメント対策も事業主の義務だ 。パワハラやセクハラ防止のため、相談窓口の周知など、労働施策総合推進法に基づく各種措置を講じなければならない 。
厚生労働省【いわゆる「スポットワーク」における留意事項等をとりまとめたリーフレットを作成し、関係団体にその周知等を要請しました】:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59197.html