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【オートサービスショー2025・アルティア】「近未来の整備工場の実現と共創」をテーマに最新法規・BEV対応整備機器を提案

BEV/PHEV駆動用バッテリーの安全な脱着が可能な「EV用マルチサポートアーム」を参考出品

  • #イベント

2025/08/06

 2025年6月19~21日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された、自動車整備機器の展示会「第38回オートサービスショー2025」(主催:日本自動車機械工具協会)。


 アルティアは、「近未来の整備工場の実現と共創」をテーマに「Go for NEXT-Gen ― 次世代に向けて ―」をブースコンセプトとして、コンプライアンス対策、安全・効率化機器、環境対策の3つを柱とした最新の整備機器を展示した。その中から、要注目の製品をピックアップし紹介する。


【スカイマックス3ワイドタイプ&EV用マルチサポートアーム】*後者は参考出品

 能力4tの門型二柱リフト「スカイマックス3」ワイドタイプに後付け・交換も可能な、多関節式アーム「EV用マルチサポートアーム」を参考出品。


 標準の3段スライドアームは支柱への取付部のみ回転するところ、「EV用マルチサポートアーム」は前端部の関節を回転可能とすることで、キャビンフロア下・サイドシルの奥に装着されることが多いBEVやPHEVの駆動用バッテリーを安全にリフトアップ・ダウン可能にしている。

スカイマックス3ワイドタイプ

EV用マルチサポートアーム

【ライジングパワー/ライジングパワープラス防錆亜鉛メッキ仕様】

「ライジングパワー」はスライドボード、「ライジングパワープラス」はスライドボードと3段スライドアームを備えた、能力3.2tのパンタグラフ式リフト。


 いずれも地中に埋設する部位の深さを、従来型「メガパワー3」より200mm薄い280mmとすることで、既存ピットの有効活用も含め様々な整備工場への導入に対応可能とした。


 ベース、センターカバー、機械式可能防止装置、スライドボード、アーム・エクステンション・アタッチメントブラケットに溶融亜鉛メッキを施すことで、塗装の剥がれや錆による腐食を権限する「防錆亜鉛メッキ仕様」も設定する。

ライジングパワー

ライジングパワープラス防錆亜鉛メッキ仕様

【4WD対応前後連結型スーパーコンビクワット/4tサイドスリップテスタ遠隔ロック仕様】*後者は近日発売予定

「4WD対応前後連結型スーパーコンビクワット」は、検査車両のホイールベースに合わせて後輪部テスターを移動させることで、ブレーキおよび速度計検査時の車両移動を不要とした、ブレーキ・速度計複合試験機。

 速度計検査時には、駆動輪と従動輪が同時に回転するよう、前後のローラーを連結させることで、あらゆる4WD車の速度計検査に対応可能としている。


「4tサイドスリップテスタ遠隔ロック仕様」は、踏板を手動ではなくエアでロックする機構を備え、ロックピンを抜く手間を減らした、軸重4t以下まで対応するサイドスリップテスター。


 サイドスリップ検査時のみ踏板のロックを解除、つまりロック中はサイドスリップを計測しないようにすることで、ヒューマンエラーによる不正車検を防止。またロック中は踏板の上を歩いても沈み込まないため、メカニックの転倒事故を防ぐこともできる。

4WD対応前後連結型スーパーコンビクワット(手前&中央)、4tサイドスリップテスタ遠隔ロック仕様(奥)

(文・写真=遠藤正賢)