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国交省・機構、第5回「OBD検査モニタリング会合」を開催(後編)
検査用スキャンツール認定取り消し時の特例措置適用対象について議論
2025/12/23
国土交通省(国交省)および自動車技術総合機構(機構)は2025年12月15日、第5回「OBD検査モニタリング会合」をAP東京八重洲(東京都中央区)で開催した。
事務局は国交省物流・自動車局自動車整備課と機構OBD情報・技術センター、構成員は日本自動車工業会(自工会)、日本自動車輸入組合(JAIA)、日本自動車機械器具工業会(自機工)、日本自動車機械工具協会(機工協)、日本自動車整備振興会連合会(日整連)、日本自動車車体整備協同組合連合会(日車協連)、日本自動車連盟(JAF)、軽自動車検査協会(軽検協)、交通安全環境研究所。
第5回「OBD検査モニタリング会合」の様子
今回の第5回会合では、2024年10月1日より開始されたOBD検査において、2025年8月20日から同年11月24日までに関係者を通じて得られた課題についても確認。
このうち、Android版特定DTC照会アプリを用いた場合、OBD検査/確認を正常に実施できない車両があることについて、国交省物流・自動車局自動車整備課の林健一整備事業指導官は「当該車両(詳細は下表参照)のOBD検査にはWindows版を利用してほしい」としながら、機構は「OBDコネクタの仕様が異なり、Android版ではそれに対応していないためエラーが表示され、正常に実施できない。なお今後はAndroid版をWindows版に機能を合わせていくので、OBD検査が実施できるようになる」と補足説明した。
また、機工協webサイトに掲載されている「検査用スキャンツール型式一覧表」を、Windows対応のものとAndriod対応のものとを見分けられるようにしてほしいとの要望に対し、機工協の後藤雄一委員は「現在、Android対応の検査用スキャンツールは認定されていないが、今後認定された際はWindows対応のものと見分けられるよう、検査用スキャンツール型式一覧表を分けて作成する」意向を示している。
続いて、2025年11月25日に開催された「第7回OBD検査システム・検査用スキャンツール技術連絡会」の結果概要を報告した。
この中で、「検査用スキャンツールに係る型式試験等実施要領」を同年9月26日に制定。
検査用スキャンツールが認定済のものから簡易なバージョン変更のみと認められる場合は所定の試験を省略して認定可能とするも、改善措置を行う場合は届出が必要(ただし緊急での改善措置を行う場合に限り、届出前に認定機としたままバージョンアップ可)。
また生産・販売終了時は届出が必要(ただしサポート継続時は認定取り消しとしない)で、かつサポート終了時は認定取り消しとなり原則2年間の周知が必要、などの要点を説明した。
そのほか、特定DTCアプリAndroid版を同年11月19日にリリースしたことに加え、Windows版との違い(概要は下表参照)を解説している。
特定DTC照会アプリWindows版とAndroid版との違い
さらに、検査用スキャンツールが認定取り消しとなった場合に特例措置適用の対象となる事業場と期間について議論。それぞれ3つのパターンが例示された。
これについて日整連の根本正之委員は適用事業場について「備付1の場合は特例措置が間違いなく必要。備付2と3は後日届出できる制度になっていたと思うのでどちらも一緒だが、整備用スキャンツールと併用している機種の場合は整備用として持ち出す場合があるため、いずれも特例措置を適用せざるを得ないだろう」と指摘。
検査用スキャンツール認定取り消し時に特例措置適用対象となる事業場の場合分け
適用期間については、「買い換えが進まない可能性は考えられるので、期間2が一番ありがたいが、買い換えまでどのくらいかかるかをスキャンツールの販売会社に問い合わせ、納期などを調べた後に計画を出してもらうことで対応できるのでは」と提案している。
検査用スキャンツール認定取り消し時に特例措置適用対象となる期間の場合分け
そのほか、令和7年度(2025年度)スキャンツール補助金の申請受付開始や、中長期課題への対応策などが報告された。
(文・写真=遠藤正賢 図=国土交通省)