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【オートサービスショー2025・バンザイ】カーオーナーに「安心」を提供する最先端の整備機器を11のコーナーで展示・実演

雹害車両修理見積りを劇的に高効率化・標準化可能な「ADIビークルスキャナー(DRIVE SCAN)」を参考出品

  • #イベント

2025/07/31

 2025年6月19~21日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された、自動車整備機器の展示会「第38回オートサービスショー2025」(主催:日本自動車機械工具協会)。


 バンザイは、「変化を楽しみ そして未来へ ~変わらないもの Peace of mind(安心)~」をテーマに掲げ、最先端の整備機器を総計11のコーナーで展示・実演した。その中から要注目の製品をピックアップし紹介する。


【ADIビークルスキャナー(DRIVE SCAN)】*参考出品

 ゼブラ照明と入口側4つ・出口側8つのカメラが取り付けられたドームの中に車両を約13秒間・5km/hほどでくぐらせるだけで、ナンバープレートを読み取りつつ、外板の傷や凹みを検知・記録できる装置。オプションの「DRIVEuSCAN」を組み合わせればアンダーボディの状態、「イージートレッド」と組み合わせればタイヤ残溝を同時に点検することも可能になる。


「ADIビークルスキャナー(DRIVE SCAN)」は、ドイツで発生頻度が高い雹害を受けた車両の修理見積りを効率化・標準化するニーズが高いことを受けて開発されたもの。大規模車体修理工場のほか中古車オークション会場や自動車メーカー新車生産拠点の検査ラインなどへの納入を想定している。

ADIビークルスキャナー(DRIVE SCAN)。写真左下は「DRIVEuSCAN」、下側中央は「イージートレッド」

【トリプルテスター(モータリング装置内蔵仕様)/スマート・スピードメーターテスター】*型式申請中

「トリプルテスター(モータリング装置内蔵仕様)」は、従動輪(前輪駆動なら後輪、後輪駆動なら前輪)を強制的に回転させるモータリング装置をテスター本体に内蔵することで、車輪速センサーが従動輪側に装着されている車両でもスピードメーターの検査を可能にした、サイドスリップ・ブレーキ・スピード複合試験機。


「スマート・スピードメーターテスター」は、固定式フリーローラーにスピードメーター検査機能を内蔵。マツダCX-60やレクサスLSなど、後輪側に車輪速センサーが搭載されているAWD車でも、前輪にフリーローラーを設置せずにスピードメーターの検査ができる。


 バンザイはこれにより、ブレーキ・スピード複合試験機「コンビネーションテスター」を移動装置付きで前後2台使用する「スーパーマルチテスター」の設置が不要になる、と説明している。

トリプルテスター(モータリング装置内蔵仕様)(手前)/スマート・スピードメーターテスター(奥)

【ユニバーサルマルチリフター】*参考出品

 交換式のリフター受台を採用し、BEVの駆動用バッテリーに加え、エンジンやトランスミッションの脱着も1台で対応可能とした、アタッチメント交換式の多機能リフター。


 前回オートサービスショーで参考出品されたものに対し、エア走行式から電動走行式へ変更するとともに、操舵機構を追加。省力化とともに、エアホースが絡むことによるメカニックの転倒防止など安全性向上も図っている。

ユニバーサルマルチリフター

【エミネントデルタ2・花粉除去モード】*参考出品

 ミドルクラスの門型洗車機「エミネントデルタ2」にオプションとして追加予定の「花粉除去モード」を、実機と実車を用いて実演。60℃以上のお湯を少量ずつ、約5分かけてゆっくり噴霧することで、塗膜に染み込んだ花粉ジミを除去。手作業によるメカニックの火傷リスクも未然に防ぐ。

エミネントデルタ2での花粉除去モード実演の様子

【トルコン機器T-MAX1100CV(AMC-1100CV)】

 レベルゲージ付きAT、レベルゲージレスAT、ハイブリッド車用トランスミッションのいずれにも対応する、トラック・バス用ATFチェンジャー。


 とりわけRR(リヤエンジン・リヤドライブ)のバスでは、ジャッキアップ→旧油排出→室内最後部より新油注入を5回繰り返し、手作業で約90分必要だったところ、全自動かつ約30分で作業完了可能としている。

トルコン機器T-MAX1100CV

(文・写真=遠藤正賢)