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[連載]事例と解説ー整備業のための補助金活用講座

第1回 2025年度に活用できる補助金

  • #その他

2025/07/22

 今回は、自動車整備・鈑金塗装業を営む事業者が2025年に活用できる補助金について、申請要件や活用事例を交えてご紹介します。

 自動車アフターマーケット業界では、整備や鈑金塗装業務に必要な設備や技術の更新が求められています。最新技術の導入や業務効率化を進めることは競争力を維持する上で不可欠ですが、初期投資の負担が大きな課題となります。そこで活用したいのが、政府の補助金制度です。

 1つ目は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」略して「もの補助」が挙げられます。生産性向上を目的とした設備投資やシステム開発を支援してくれる補助金として有名です。自動車整備業では、アライメントリフトやドライアイス洗浄機、水性塗料対応塗装ブース導入、などで活用されることが多いです。対象となる補助金額は従業員数によって異なりますが、750~2,500万円で、

補助率は原則 1/2となります。第19次の公募締切は4月25日17時、採択予定が7月下旬となっておりますので、交付決定手続きを鑑みると発注できるのは9月ごろとなる見込みです。

 2つ目は「IT導入補助金」です。これは業務効率化を目的としたITツール導入を支援する補助金として数年にわたって人気です。整備予約システムや顧客管理ソフト、車両管理ツールなどが対象となり、導入によって作業の効率化や顧客対応の向上が期待できます。補助金額は最大 450万

円、補助率は最大4/5で、5月12日が申請締め切りとなります。

 3つ目は「中小企業省力化投資補助金」です。業務効率化や人手不足解消を目的とした設備導入を支援する補助金で、「カタログ型」と「一般型」の2種類があります。カタログ型は補助対象として登録された製品等が対象で、最新型の作業支援機器や鈑金機器が該当しています。一方、一般型は、AIや自動化設備の導入など、オーダーメードで組み合わせることができるため、自由度の高い設備投資が可能です。補助金額は最大1,000万円、補助率は1/2以下で、省力化や業務の安定化を目的とした計画が必要です。

 4つ目は「中小企業新事業進出補助金」です。新事業分野への進出を支援するもので、事業再構築補助金の後継の位置づけとなります。補助金額は従業員数によって異なりますが、最大7,000万円で、補助率は1/2となります。第1回の公募は4月ごろを予定しております。市場成長性や事業の革新性を示す計画書を作成する必要があります。

 最後は「中小企業成長加速化補助金」です。売上高100億円を実現するための投資を支援する補助金です。最低 1億円以上の投資が必要で、補助金額は最大 5億円、補助率は1/2となり、建物費など大型投資を検討されている事業者にはピッタリです。

 これらの補助金は、自動車アフターマーケットの事業者が活用しやすい内容となっております。これから公募が始まる補助金が多いので、まずは申請要件を確認し、自社に当てはまる補助金を見つけ、活用を検討することで事業の効率的な成長を促進することが可能です。




筆者プロフィール

山田健一(株式会社フォーバル)
 国内大手EC会社にてマーケティングを担当。その後、大手M&Aアドバイザリー会社にて上場企業の経営戦略立案やM&Aアドバイザーとして数多くのM&Aを実行支援。2016年に(株)フォーバルの事業承継支援事業立ち上げに参画。自動車アフターマーケットでの後継者問題の解決、補助金支援に力を入れている。

株式会社フォーバル https://forval-shoukei.jp/