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軽自動車税が7200円と10800円で違う理由は?税額が決まる仕組みを分かりやすく解説

軽自動車税の納税額が7,200円の人と10,800円の人がいる理由をご存知ですか?その違いは、お持ちの軽自動車を「いつ新車登録したか」で決まります。この記事では、税額が変わる具体的な条件や、ご自身の税額の確認方法を詳しく解説します。

  • #コラム

2025/12/24

軽自動車税が7200円と10800円で違う理由は?

毎年5月頃になると、軽自動車の所有者のもとに「軽自動車税(種別割)」の納税通知書が届きます。その税額を見て、「自分の税額は10,800円だけど、知人は7,200円だと言っていた。この違いは何だろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

この金額の違いは、間違いや計算ミスではありません。実は、お乗りの軽自動車が新車として初めて登録された時期によって、適用される税額が異なるのです。

この記事では、軽自動車税が7,200円になる場合と10,800円になる場合の違いについて、その理由やご自身の税額の確認方法、さらに税金が高くなるケースや安くなる制度まで、分かりやすく解説します。

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軽自動車税の7,200円と10,800円の違いとは?

軽自動車税の金額に違いが生まれるのはなぜでしょうか。その理由は、税制改正によって税率が変更されたことにあります。ここでは、金額が異なる理由と、その背景について解説します。

結論:新車登録した年月で税額が変わる

軽自動車税の7,200円と10,800円の違い

結論から言うと、軽自動車税の金額の違いは2015年(平成27年)3月31日以前か、2015年(平成27年)4月1日以降かのどちらのタイミングで新車登録(専門用語では「初回新規検査」といいます)を受けたかによって決まります。

具体的には、以下の通りです。

  • 2015年3月31日までに新車登録された車:7,200円(旧税率)
  • 2015年4月1日以降に新車登録された車:10,800円(新税率)

このルールは、中古車として購入した場合にも適用されます。そのため、中古車であっても2015年4月1日以降に新車登録された車両であれば、税額は10,800円となります。

参考:総務省「地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わります」

なぜ税額が変更されたのか

税額が変更された背景には、地方税法の一部が改正され、グリーン化を進める観点から軽自動車税の税率が見直されたことがあります。

普通車と軽自動車の税負担の格差を是正するとともに、環境負荷の小さい自動車の普及を促進する目的で、新車登録から一定年数が経過した環境負荷の大きい車にはより重い税率(重課)を、環境性能の優れた車には軽い税率(軽課)を適用する「グリーン化特例」が導入されました。

この見直しの一環として、基本的な軽自動車税の税率(標準税率)が7,200円から10,800円へと引き上げられたのです。

あなたの軽自動車税はいくら?確認方法を解説

あなたの軽自動車税はいくら?確認方法を解説

ご自身の軽自動車税がどちらの税率に該当するのかを正確に知るための方法と、税額の一覧をご紹介します。

車検証の「初度検査年月」を確認する

ご自身の軽自動車が旧税率(7,200円)と新税率(10,800円)のどちらに該当するかは、車検証(自動車検査証)に記載されている「初度検査年月」を確認することで分かります。

車検証の左上の方に記載されている「初度検査年月」の欄を見て、「平成27年3月」以前であれば7,200円、「平成27年4月」以降であれば10,800円が適用されます。

参考:総務省「軽自動車税の概要」

【一覧表】新車登録年月ごとの軽自動車税額

自家用の乗用軽自動車における、新車登録年月ごとの税額をまとめました。

新車登録(初度検査)の時期

年間の税額

適用される税率

2015年(平成27年)3月31日以前

7,200円

旧税率

2015年(平成27年)4月1日以降

10,800円

新税率

①または②の登録から13年経過後

12,900円

重課税率[優松2] 

※この表は自家用・乗用の場合です。貨物用や事業用では税額が異なります。

要注意!軽自動車税がさらに高くなるケース

軽自動車税は、新車登録から長期間が経過すると、さらに税額が上がることがあります。これは「重課」と呼ばれる仕組みです。

新車登録から13年を超えると税金が上がる

新車として登録された「初度検査年月」から13年を経過した軽自動車は、環境への負荷が大きくなるという理由から、翌年度分の軽自動車税から重課税率が適用されます。これにより、税額はさらに高くなります。

例えば、初度検査年月が2012年(平成24年)10月の車の場合、13年が経過する2025年(令和7年)10月を迎えた後の、翌年度である2026年度分の軽自動車税から重課の対象となります。

参考:大阪市「軽自動車税(種別割)の税率(年額)」

重課税率が適用された場合の税額はいくら?

重課税率が適用されると、もともとの税額が7,200円だった車も、10,800円だった車も、一律で税額が上がります。自家用乗用軽自動車の場合、その税額は12,900円です。

ただし、電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、混合メタノール自動車及びガソリンを内燃機関の燃料として用いる電力併用軽自動車(ハイブリッド車)などは、重課の対象から除外されます。

軽自動車税(種別割)の基本をおさらい

軽自動車税(種別割)の基本をおさらい

ここで、軽自動車税(種別割)の基本的なルールについて改めて確認しておきましょう。

納税義務があるのは誰?

軽自動車税は、毎年4月1日時点で、車検証に記載されている所有者または使用者に納税義務があります。そのため、4月2日以降に車を売却したり廃車にしたりした場合でも、その年度の1年分の税金を全額納める必要があります。

参考:総務省「地方税制度|自動車税・軽自動車税種別割」

いつまでに支払う必要がある?

納税通知書は、毎年5月の上旬ごろに市区町村から郵送されます。納付期限は自治体によって異なる場合がありますが、多くは5月末日に設定されています。

主な支払い方法

納税は、送付された納税通知書を使って、金融機関の窓口、郵便局、役所の窓口、コンビニエンスストアなどで支払うことができます。最近では、クレジットカード決済やスマートフォン決済アプリに対応している自治体も増えています。

環境に優しい車は税金が安くなる「グリーン化特例」

環境に優しい車は税金が安くなる「グリーン化特例」

税額が高くなる重課がある一方で、環境性能が優れた軽自動車は税金が安くなる「グリーン化特例(軽課)」という制度も存在します。

グリーン化特例(軽課)とは何?

グリーン化特例(軽課)とは、排出ガス性能や燃費性能に優れた環境負荷の小さい軽自動車を取得した場合、翌年度分の軽自動車税が軽減される制度です。この特例は、新車登録の翌年度分に一度だけ適用されます。

参考:国土交通省「自動車関係税制について(エコカー減税、グリーン化特例等)」

グリーン化特例の対象となる車の条件

軽減率は、燃費基準の達成度などに応じて、おおむね75%、50%、25%の3段階に分かれています。最も軽減率が高い「おおむね75%軽減」の対象となるのは、主に以下の車両です。

  • 電気自動車
  • 天然ガス自動車(2018年排出ガス規制適合又は2009年排出ガス規制適合かつ2009年排出ガス基準値より10%以上窒素酸化物を低減する車両)

この特例に該当すると、翌年度の税額は10,800円から2,700円(75%軽減の場合)まで大幅に引き下げられます。

参考:国土交通省「軽自動車税のグリーン化特例の概要」

まとめ

軽自動車税の7,200円と10,800円の違いは、2015年4月1日を基準とした新車登録の時期によるものです。また、新車登録から13年が経過すると税額が12,900円に上がり、一方で環境性能の良い車は税金が安くなる特例もあります。ご自身の車検証で「初度検査年月」を確認し、正しい税額を把握しておきましょう。

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