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[連載]準備運動(さいよう)から本番(ていちゃく)まで人材を見つめる!
第6回 面接は相手から見極められる場
2025/09/10
これまで、会社にとっての「理想の人材像」を明確にした上で、その人材にとって魅力的と思える募集活動を行うことを説明してきた。「理想の人材像」は、会社の理念に基づいて作られたものなので、この募集活動を正しく行うと、理念に共感する人材の応募があるはずだ。すると次は「採用面接」のステップに進む。採用面接は、会社と人材のファーストコンタクト、「出会いの場」であるため、全力で取り組みたい。
この面接で最も注意していただきたいのが、「相手から見極められる意識を強く持つ」ということだ。
面接に来られた人が、「活躍できる人なのか?」、「うちの会社に合う人なのか?」、「同じバスに乗せるべき人なのか?」と「相手を見極める意識」が先に立ってしまうが、応募者もこちらを見極めようとしていることを忘れてはならない。
整備士の有効求人倍率が5倍を超える現在の採用困難時代においては、会社が応募者を選ぶ前に、応募者に「ここに入りたい!」と思ってもらわないと人材を獲得することができない。
言われてみると当たり前のことだが、面接においては、どうしても会社が応募者の見極めに集中するあまり、この当たり前の事実を見落しがちである。「応募者は、応募してきたのだから、ウチに入りたくて当たり前……」、もしそのように思っているのだとすると、それは間違いだ。
もちろん採用面接は会社側が行うものであるが、応募者が面接の場において「この会社はちょっと自分には合わないかもしれない……」、「この会社に魅力を感じない……」、「この会社に入社しても将来が見えない……」となると、当然こちらが断られることだってあるのだ。
特に、こちらが「欲しい」と思えるような人材は、他社にとっても魅力的で欲しい人材である可能性が高いものだ。
当然ながら、応募者にとって「この会社に入ろう!」と決めて入社できるのは1社のみ。相手が面接を受けた数々の会社の中で「自分にとって、ここが一番良い会社!」と思ってもらえなければ、せっかくの人材を獲得することはできないのである。
採用面接は、応募者が「この会社がどんな会社かを見極めに来る場」であり、車を選んでもらうための商談と何ら変わりはない。まずは、このように考えて面接に臨みたい。
次回は、面接を効果的に行うための具体的な進め方やテクニックについて解説する。
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筆者プロフィール

關 友信(株式会社チームエル)
株式会社チームエル 取締役CMO。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開開始と同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。
株式会社チームエル https://team-l.co.jp/