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第38回オートサービスショー2025、6月19~21日開催。3日間で4万人強の来場者を集める

機工協・柳田昌宏会長「次世代モビリティの進化に対応するには従来のやり方だけでは通用しない」

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2025/07/17

 自動車整備機器の展示会「第38回オートサービスショー2025」(主催:日本自動車機械工具協会(機工協))が2025年6月19日より21日までの3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)東1・2・3ホールおよび屋外展示場で開催された。

開会式でのテープカットの様子

 機工協の柳田昌宏会長は開会式の主催者挨拶で、「今回のテーマは『次世代モビリティと共に歩む整備機器』。近年、クルマを取り巻く環境は大きく変わりつつある。電気自動車や自動運転技術、そしてカーシェアやオンデマンド交通といったモビリティサービスの多様化により、クルマの使われ方そのものが進化している。こうした次世代モビリティの進化に対応するためには、整備業界もまた従来のやり方だけでは通用しない。整備士の技術や知識はもちろんのこと、それを支える整備機器やシステムも進化し続けなければならない」と、テーマ設定の背景を説明。


 OBD検査の開始や特定整備制度の完全施行、ADAS(先進運転支援システム)や電動化技術の進化・普及にも触れながら、「これらの変化に対応していくには、もはや人手や経験だけでは追いつけない場面も増えてきている。最新の整備機やデジタルツール、AI、遠隔診断、予防保全システムなど、新しい技術と人とをどう融合していくかが、これからの整備業界の大きな課題となる。このショーでは各企業がそうした次世代モビリティ社会を支える最新の整備機器やサービスを提案している。変わりゆくクルマ社会の中で整備業界が持つ技術力と柔軟性を活かし、未来に貢献するためのヒントがここに集まっている」と、今回の見所を訴求した。

機工協の柳田昌宏会長

 来賓として招かれた国土交通省物流・自動車局自動車整備課の多田善隆課長は、同局久保田秀暢次長の祝辞を代読。「自動車業界は現在自動運転など、百年に一度の大変革期にあり、自動車整備の現場も新たな知識と対応力が求められている。こうした時代において、今回のテーマである『次世代モビリティと共に歩む整備機器』、自動車整備機器が次世代モビリティの進化に対応し、多様な現在のニーズに対応する製品や技術が紹介される絶好の機会なることは間違いない」と期待感を示している。

国交省の多田善隆課長

 続いて経済産業省製造産業局自動車課の高木直樹課長補佐は、「足元の自動車整備業の景況は、総整備売上高や事業場数が3年連続で増加するなど堅調な一方で、自動車整備士の不足などもあり、いかに高度な整備技術を継承していくかいか、生産性向上や省力化に取り組んでいくかが、自動車整備業界の目下の課題と認識している」との見解を説明。


 そのうえで、「電動化等により次世代自動車が市場に今後ますます浸透していく中、次世代モビリティとともに整備機器はいかに進化すべきか、自動車整備用機械工具業界に対する安全確実な検査整備の実現への期待はますます高まっている。経済産業省としても、関係省庁と連携しながら、この大変革期を皆様と一緒に乗り越えていきたい」と、各政策への協力を呼びかけた。

経産省の高木直樹課長補佐

 その後、機工協の浜本雅夫オートサービスショー副委員長による開会宣言とともにテープカットが行われ、「第38回オートサービスショー2025」が開会。112社・団体が出展し1107小間が展開され、3日間での来場者は前回の3万5770人を大きく超え4万324人を数えるほどの大盛況となった。



(文・写真=遠藤正賢)