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ホンダ、新型「プレリュード」を先行公開

  • #ニュース

2025/08/01

ホンダは2025年9月に発売を予定している新型「プレリュード」の情報を先行公開した (https://www.honda.co.jp/PRELUDE/new/colorinfo/?from=prelude_curation) 。新型プレリュードは、ホンダのスポーツマインドを体現するスペシャリティスポーツモデルで、電動化時代における「操る喜び」の継承や、環境性能、日常での使い勝手も追求している 。プレリュードの復活は24年ぶりとなる 。

コンセプトとデザイン

新型プレリュードのグランドコンセプトは「UNLIMITED GLIDE(アンリミテッド・グライド)〜どこまでも行きたくなる気持ちよさ×非日常のときめき〜」 。大空を滑空するグライダーから着想を得ており、優雅に滑空するような高揚感と非日常のときめきを感じさせる車を目指した 。

  • エクステリアデザイン: グライダーが滑空するような高揚感を生み出すデザインを採用した 。低くシャープなフロントノーズ、抑揚のある滑らかなボディライン、低くワイドなスタンスがダイナミックな走りを想起させる 。グライダーをイメージしたヘッドライトや、スムーズでクリーンなドアパネルを実現するフラッシュアウターハンドル、上質さを表現するブラッククロームメッキのフロントグリルなどを備え、スペシャリティカーを体現するデザインとした 。
  • インテリアデザイン: インテリアも滑空するような高揚感を感じさせるデザインで、運転席と助手席で異なる快適さを追求した 。運転席はホールド性を高めたスポーツ走行に適したシート、助手席は包まれるような快適さを提供する 。また、インテリアのメインカラーには、軽快なホワイトと深いブルーを組み合わせた「ブルー×ホワイト」を採用 。このカラーコーディネートで、プレリュードのコンセプトを表現している 。
  • パッケージデザイン: 「特別な」と「多目的な」という相反する要素の両立を目指した 。ワイド&ローでスムーズなボディは、スペシャリティスポーツらしいプロポーションと高い運動性能を発揮できる仕様を実現した 。また、開口部の広いテールゲートや後席可倒機構、床下の収納スペース、コンビニフックなどを設けることで、使い勝手の高い荷室も実現している 。

ハイブリッドシステムとプレリュードの歴史

新型プレリュードは、ホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」をさらに進化させたモデルである 。

プレリュードは、1978年に発売された初代から5世代にわたり、国産車初の電動サンルーフ、アンチロックブレーキシステム(ABS)、世界初の四輪操舵システム(4WS)など、時代に合わせた最先端技術を採用してきた 。新型プレリュードは、6代目としてハイブリッドスペシャリティカーとして復活する 。

プリウスに似ていると言う評価もあるが…

一部で新型プレリュードのデザインがプリウスに似ているという声もあるようだが、その評価は必ずしも妥当とは言えないかもしれない。車両の印象に大きな影響与えるシルエットだが、キャビン部分からリアタイヤにかけての翼断面構造に似たデザインは、ホンダが1999年に発売した初代インサイト(ZE1型)で先駆けて採用したデザインである。一方、プリウスが同様の構造を取り入れたのは、2003年発売の2代目(20系)からであり、ホンダの方が先にこのデザイン手法を取り入れている。

このデザインは、前席の早い段階で車高の頂点がきて、後方に向かって絞り込むという特徴を持ち、優れた空力特性を実現する一方で、後席の居住性が犠牲になるというデメリットもある。ホンダは、燃費性能を重視する方向性の中で、このデザイン手法を先駆けて実現した。

ヘッドランプまわりのデザインは、ヘッドランプに使われているポリカーボネートの劣化による黄変が重大な問題となっており、小型、薄型化し表面積を減らすようになってきている。こうした技術的な制約がある関係でイメージが似てしまっていると考えられる。最も、その点を指摘するのであれば、このようなヘッドランプのデザインは2022年に発売されたフェラーリのプロサングエが最初であろう。プレリュードの場合、ヘッドランプ上部をカバーで覆っていない。その点において、全くの模倣とは言えないのではないか。しかしながら、プリウスと比較して水平面のレンズ面積が大きい。面構えで個性は獲得したが、一方で紫外線を浴びやすく劣化は早いと見られ、年月が経つとそれが目立つかもしれない。

デザインの前後関係が商品の優劣を決定するわけではないが、新型プレリュードをプリウスの模倣と評価するのは、過去のデザインの流れを考慮すると適切ではないと筆者は考えている。

初代のインサイトは、アルミボデーやMT設定が注目されがちだが、筆者はキャビン部の翼断面構造も凄かったと考えている。プリウスのデザインに全く影響を与えなかったはずはあるまい。