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ミラー型ドライブレコーダーは車検に通らない?NG原因と対策を解説

ミラー型ドライブレコーダーをつけたまま車検に通るのか不安な方へ。実は「ある条件」を満たさないと不合格になります。本記事では車検NGになる原因と、確実に通すための選び方や対策をわかりやすく解説します。

  • #コラム

2026/02/17

ミラー型ドライブレコーダーは車検に通らない?

最近、あおり運転対策や見た目のスタイリッシュさから「ミラー型ドライブレコーダー」を取り付ける方が増えてきました。しかし、いざ車検の時期が近づくと「これってつけたまま通るのかな?」と不安になることはありませんか。ネット上では「車検に通らなかった」という声もちらほら聞こえてきます。結論からお伝えすると、ミラー型ドライブレコーダーは基本的には車検に通りますが、保安基準に適合していない場合は容赦なく不合格になります。この記事では、長年カー用品の取り付けや車検に関わってきた経験から、どのような場合にNGとなるのか、そして確実に車検を通すために今日からできる対策について詳しく解説します。読み終わる頃には、あなたの不安が解消され、自信を持って愛車を検査に出せるようになっているはずです。

ミラー型ドライブレコーダーは車検に通らない?

「ミラー型ドライブレコーダーを付けていると車検に落ちる」という噂を聞いたことがあるかもしれません。しかし、これは半分正解で半分間違いです。法律上、ミラー型だからといって一律に禁止されているわけではなく、一定の基準さえクリアしていれば装着したままでも車検には合格します。私自身も数多くの車両を車検に通してきましたが、適切な製品を正しく取り付けている車であれば、何の問題もなくパスしています。ここでは、車検における基本的な考え方と、なぜ「通らない」と言われることがあるのか、その背景にある事情について掘り下げていきます。

基準を満たせば問題なく通る

車検において重要視されるのは、その装備が「道路運送車両法」の定める保安基準に適合しているかどうかという一点です。ルームミラーに関する基準は主に第44条「後写鏡」の項目で定められており、運転席から後方の交通状況を常に確認できることが求められます。ミラー型ドライブレコーダーであっても、電源が入っている状態でモニターとして後方が鮮明に見え、かつ電源が切れている状態でも鏡として機能するものであれば、この「後写鏡」としての役割を果たしているとみなされます。つまり、製品そのものの性能と取り付け状態が法律の要件を満たしていれば、堂々と車検を受けることができるのです。

判定

状態

理由

合格

基準適合

後方視界が確保され、視界を妨げない

不合格

基準不適合

鏡として機能しない、視界不良など

要注意

グレーゾーン

検査員の判断による微妙なライン

参考:国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2023.6.5】第224条(後写鏡等)」

検査員の判断に委ねられる現状

車検の現場で少し厄介なのが、最終的な合否判定が検査員の目視や感覚に委ねられる部分があるという点です。例えば、鏡としての見え方や反射率について明確な数値基準ですべてが運用されているわけではなく、「後方が明瞭に確認できるか」という実用面での判断がなされます。そのため、ある検査場では問題なかった製品が、別の検査場や担当者によっては「見えにくい」と判断され、指摘を受けるケースもゼロではありません。特に、安価な海外製品などで鏡面の質が低い場合や、取り付け位置が微妙な場合には、検査員の心証が悪くなり、より厳しくチェックされる傾向があります。

車検で不合格になる主な4つの原因とは?

車検で不合格になる4つのNG原因

では、具体的にどのような状態だと車検でNGを出されてしまうのでしょうか。これまでの経験上、不合格になるケースには明確なパターンがあります。製品選びのミスだけでなく、取り付け方や使い方の問題で引っかかってしまうことも少なくありません。ここでは、うっかり見落としがちな4つの主要な原因について解説します。ご自身の車がこれらに当てはまっていないか、一つひとつ確認しながら読み進めてみてください。

鏡としての反射率が足りない

最も多い原因の一つが、ルームミラー本来の機能である『鏡としての性能』不足です。ミラー型ドライブレコーダーは、液晶モニターに映像を映し出す仕組みですが、モニターとして機能している状態で後方が明瞭に確認できる必要があります。保安基準では後写鏡(バックミラー)の反射率について、二輪車用は40%以上という数値基準が定められていますが、四輪車のルームミラーについては具体的な反射率の数値基準は示されていません。ただし、「鏡面に著しいひずみ、曇り又はひび割れがないこと」「運転者が後方の交通状況を明瞭かつ容易に確認できる構造であること」という基準があります。電源を切った状態で鏡として機能しない製品であっても、電源が入っている状態で後方が明瞭に確認できれば基準を満たす可能性がありますが、製品の仕様や検査員の判断によって結果が異なることがあります。

参考:国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2003.9.26】別添82(二輪自動車等の後写鏡の技術基準)」

参考:独立行政法人自動車技術総合機構「審査事務規程 7-106,8-106 後写鏡」

安全装置や視界を遮っている

最近の車には、フロントガラスの上部に衝突被害軽減ブレーキ用のカメラやセンサー類が搭載されています。純正ミラーより一回り大きいミラー型ドラレコを取り付けることで、これらのセンサーの視界を遮ってしまったり、センサーのカバーに干渉してミラーが適切な角度に向けられなくなったりすることがあります。また、運転席からの前方視界を確保するための基準もあり、フロントガラスの上部20%の範囲内であっても、信号機や標識の確認を妨げるような巨大な本体が付いていると指摘される可能性があります。便利な機能を追加したつもりが、車の基本的な安全性能を阻害してしまっては本末転倒です。

参考:国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2023.6.5】第39条(窓ガラス)」

配線が垂れ下がり視界を妨げる

意外と見落としがちなのが、本体から伸びる電源ケーブルやリアカメラ用の配線です。DIYで取り付けた場合にありがちですが、配線がダッシュボードの上に無造作に垂れ下がっていたり、ドライブレコーダー本体の取り付け位置が「フロントガラスの上縁から20%以内」を超えてぶら下がっていたりすると、整備不良とみなされます。車検では「視界の確保」が非常に厳しくチェックされるため、配線一本であっても運転の妨げになると判断されればアウトです。見た目が悪いだけでなく、走行中に揺れて気が散る原因にもなるため、配線処理の甘さは検査員に悪い印象を与えるきっかけにもなりかねません。

配線の状態

車検への影響

推奨される対策

隠蔽されている

問題なし

天張りやピラーの中に隠す

固定されている

場合による

クリップ等でガラス上部に沿わせる

垂れ下がっている

不合格

即刻修正が必要

衝撃緩和の基準を満たさない

これは「純正ミラー交換型」の製品を取り付ける際に特に注意が必要なポイントです。保安基準には、万が一の衝突事故の際に乗員の頭部がミラーにぶつかっても大きな怪我をしないよう、ミラーが脱落したり衝撃を吸収したりする構造でなければならないという規定があります。純正ミラーはこの基準を厳密にクリアして作られていますが、社外品の交換型ステーなどではこの衝撃緩和機能が不十分なものがあります。純正ミラーの上からゴムバンドで留めるタイプであれば、本体ごと脱落することで衝撃を逃がせるため比較的クリアしやすいですが、ガッチリとボルト固定してしまう交換型は、製品自体が保安基準適合を証明していない限り、車検で指摘されるリスクが高まります。

参考:国土交通省「別添80 車室内後写鏡の衝撃緩和の技術基準」

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これから購入する際の失敗しない選び方は?

失敗しない!ミラー型ドラレコの選び方 3つの鉄則

もしあなたがこれからミラー型ドライブレコーダーを購入しようと考えているなら、最初から「車検に通るもの」を選ぶのが一番の近道です。安さや画面の大きさだけで飛びつくと、後で痛い目を見ることになります。私たちがお客様に相談された際に必ずアドバイスしている、失敗しない選び方のポイントを3つご紹介します。これさえ押さえておけば、車検のたびに取り外すような面倒な作業から解放されます。

車検対応の表示を確認する

ミラー型ドライブレコーダーはパッケージや製品仕様に「車検対応」と明記されている製品を選ぶことが推奨されます。国内の信頼できるメーカーであれば、日本の保安基準を意識して設計されており、視界の確保やサイズ、固定方法の面でも検討されている製品が多い傾向にあります。逆に、海外製などの極端に安価な製品にはこの表記がないことが多く、仕様も日本の基準に合っていないリスクがあります。ただし、「車検対応」の表示があっても、取り付け方法や車種との適合性、視界の妨げの有無などによって車検に通らない場合もあるため、製品選びだけでなく適切な取り付けと事前確認が必要です。

バンド固定式を選択する

取り付け方法には大きく分けて「純正交換型」と「バンド固定型」がありますが、車検のリスクを最小限に抑えるなら「バンド固定型」が無難です。これは純正のルームミラーの上から本体を被せ、ゴムバンドなどで固定するタイプです。この方式であれば、純正ミラーの衝撃緩和機能をそのまま活かすことができ、万が一車検でNGと言われた場合でも、バンドを外すだけですぐに元の状態に戻すことができます。ただし、バンド固定型であっても車検で不適合となる可能性はあります(取り付けが不安定、サイズが不適切、視界を妨げる等)。

サイズと干渉を事前に測る

製品を買う前に、自分の車のミラー周りの環境を実測することも大切です。特に最近の車は「自動ブレーキ」や「運転支援システム」のカメラユニットがフロントガラス上部に大きく鎮座しています。購入予定のドラレコがこれらに干渉しないか、サンバイザーを下げたときに当たらないかを確認してください。横幅が広すぎるモデルはサンバイザーの使用を妨げるため、これも車検時の指摘対象になり得ます。純正ミラーのサイズを測り、ドラレコ本体がそれより極端に大きくはみ出さないか、センサー類を隠さないサイズ感であるかを事前にシミュレーションすることで、物理的な不適合を防ぐことができます。

既存のドラレコで車検を通すための対策は?

既存のドラレコで車検に通すための3つの対策

すでにミラー型ドライブレコーダーを取り付けてしまっている方も諦める必要はありません。現状のままで車検に通る可能性を高めるために、事前にやっておくべきメンテナンスや対策があります。これらは車検直前でもできる簡単な作業ですが、やるのとやらないのとでは検査員の心証が大きく変わります。ユーザー車検を受ける方はもちろん、お店に預ける方も、余計な指摘を受けないために確認しておきましょう。

配線をモールで隠して固定する

だらんと垂れ下がった配線は、それだけで「整備が行き届いていない車」という印象を与え、検査員のチェックを厳しくさせます。配線止め金具や配線モールを使って、ケーブルをフロントガラスの上縁やAピラー(柱)に沿ってきれいに固定しましょう。配線(ケーブル)自体は保安基準で規定される「透明物」には該当せず、上部20%の範囲に限定されません。ただし、ドライブレコーダー本体は上部20%の範囲内またはルームミラーに遮蔽される範囲に設置する必要があります。可能であれば、内張り剥がしを使って天井の内装材の中にケーブルを押し込んでしまうのがベストです。

レンズと画面を清掃しておく

意外と盲点なのが、ミラー(画面)やカメラレンズの汚れです。指紋やホコリでベタベタの状態だと、映像が白っぽく濁って見えたり、鏡としての視認性が落ちたりします。これでは「後方視界が確保できていない」と判断される口実を与えてしまいます。車検に出す前には、マイクロファイバークロスなどで鏡面とカメラレンズをきれいに拭き上げてください。クリアな視界を確保しておくことは、保安基準を満たすだけでなく、日々の安全運転にとってもプラスになります。「大切に乗られている車だ」と検査員に感じさせることも、スムーズな検査には有効です。

取り外し手順を復習しておく

どんなに対策をしても、最終的には現場の検査員の判断となります。「後方視界の確保ができない」「サイズが大きすぎる」と指摘され、どうしても合格できないと言われた場合に備えて、その場ですぐに取り外せる準備をしておきましょう。バンド固定式であればゴムを外してプラグを抜くだけですが、配線が複雑に絡み合っていると時間がかかります。電源プラグを抜いて本体を外せば、ただの「純正ミラー」に戻りますので、その状態で検査を受ければ確実に合格できます。最悪のケースを想定して、すぐにノーマル状態に戻せる段取りを確認しておくことが、心の余裕につながります。

まとめ

ミラー型ドライブレコーダーを装着したまま車検に通るかどうかは、保安基準への適合と検査員の判断にかかっています。不安を解消するために、以下のポイントを押さえておきましょう。

·       基本は車検OK:基準を満たした製品であれば、装着したままでも問題なく合格します。

·       4つのNG原因に注意:反射率不足、センサー干渉、配線不良、衝撃緩和基準の不適合がないか確認してください。

·       選び方が重要:「車検対応」の表記があるバンド固定式を選び、サイズ干渉を事前にチェックすることが失敗しないコツです。

·       直前の対策:配線をきれいに隠し、レンズを清掃し、最悪の場合はすぐに取り外せるよう準備しておきましょう。

これらの準備をしておけば、過度に恐れる必要はありません。正しい知識と少しの事前準備で、便利なデジタルミラーと安心のカーライフを両立させましょう。まずはご自身の車のドラレコ周りを一度チェックすることから始めてみてください。