JOURNAL 

中国新車試乗レポート (1)

  • #その他

2026/01/30

広州モーターショーの取材に合わせ、北京では発売前の車種を含む複数のEVに試乗。

日系メーカーは2025年に入って現地開発のEVを続々と投入し、攻勢を強めている。

試乗を通して見えた中国勢とのアプローチの違いを紐解く。

(写真・文:中国車研究家 加藤ヒロト)


日産N6

 日産N6は2025年4月に発売されたBEV・N7のPHEV版という位置付けで、サイズは全長4,831mmとひと回り小ぶり。1.5lエンジンに容量21.1kWhのバッテリーを組み合わせ、電気だけで130km(WLTC)を走れる性能を実現、日常ではBEVのように使えるとアピールする。

 運転支援機能は中国の自動運転ベンチャー Momentaと共同開発したカメラ主体のレベル2+のものを搭載する。室内は15.6インチのスクリーンを中央に構えるシンプルな構造だが、これは中国での流行を反映させた設計だ。移動時の快適性も重視しており、後部座席はソファーのような座り心地、ほかにも車酔い防止の技術をふんだんに盛り込む。実際に運転してみるとガソリン車に近い感覚で運転が可能ながらも、騒音や振動といった“NVH”はよく設計されていると感じた。価格は日本円で約220〜290万円と、中国勢の競合と比肩する戦略的な設定だ。

トヨタbZ3X

 bZ3Xは2025年3月に発売された純電動SUVで、現在は毎月1万台前後を売り上げる。RAV4と同等のサイズ感ながら、デザインは実用性重視の保守的な印象だ。パワートレインは最高出力201hpの前輪駆動で、3種類のバッテリー容量を展開する。

 特筆すべきは「運転のしやすさ」で、加速はマイルドで車酔いしにくくも、踏み込めばその分だけスムーズに加速してくれる。今回試乗したコースは狭い路地もあったが、小さめの車体に加えてハンドルも軽く、狭さを気にすることなくスイスイ走り抜けられたのが印象的だった。高い全高から来る室内空間の広さも充分で、187cmの筆者でも窮屈さは感じない。リヤのサスペンションは低価格車種に用いられがちなトーションビームだが、実際に後部に座って移動しても不快感はない。中国では日本円で約240万円からと安く、トヨタが培ってきた信頼性と相まって日系BEVとしては異例の大ヒットを記録する。

マツダEZ-60

 マツダの中国向け最新EV・EZ-60は、空力を追求した見た目が特徴のSUVだ。CX-60をひと回り上回るサイズを持ち、1.5l直列4気筒の発電用エンジンを備えるEREVと、純電動のBEVから選択できる。モーター出力はどちらも254hpでAWDモデルは設定なし。

 コックピットの目玉は助手席までカバーする26.45インチのセンターディスプレーだ。メーター類をHUDへ集約、デジタルアウターミラーの採用などにより、インテリアは簡素で先進的な雰囲気を醸し出す。乗り心地はかなり人を選ぶセッティングで、電子制御ダンパーながらも「コンフォート」モードではかなり硬く、スポーティーな印象を受けた。一方でリヤはフロントよりも柔らかい乗り味が感じられ、後部座席に座っての移動には不快感を覚えない。

 発売初月は3,317台、翌月には4,565台を販売と滑り出しは好調で、質感を高めた内外装や装備が高く評価されている印象だ。