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[連載]準備運動(さいよう)から本番(ていちゃく)まで人材を見つめる!

第4回 募集メッセージ作りの3つのポイント

  • #その他

2025/07/28

 前回は「理想の人材プロフィール」作りを紹介した。今度はいよいよ、そのような理想の人材が応募してくれる募集活動を開始する。これは、マーケティングで言えば、自社に合った顧客を集める広告宣伝作りのようなもの。ネットなどの募集広告では、当然のことながら「どんなメッセージ(コピー)を打ち出すか?」を工夫する必要がある。

 「本当に欲しい人」に来てもらうために、募集要項の文面作りに重要な3つのポイントを紹介する。

ポイント① 理想の人材・優先順位上位へのアピール

 前回、理想の人材プロフィールを作成した際、イメージに優先順位をつけた。この優先順位の上位に来るものを、真っ先に、メッセージ(コピー)として打ち出す。たとえば、私たちチームエルが求める人材の優先順位トップは「現状に満足しない向上心」、「チャレンジ精神」であるが、ヘッドコピーは、このようになる。「事業急成長中のため、変化していく会社とともに成長してくれる意欲溢れる人材を募集しています」。これで、ストレートに向上心やチャレンジ精神を求めていることが分かる。さらに、「どんどん新しいことに挑戦して成長したい」、「一生懸命さには自信がある」など、欲しい人材に訴求するワードを加えていく。

 また、理想の人材が魅力的に感じるだろう自社の「環境」についても記述する。たとえば、「向上心」を持つ人こそ理想の人材だとすれば、「研修制度や実践訓練など、成長の機会が多数あります」など、理想の人材のための環境が用意されていることも伝えたい。

ポイント② 「ミスマッチ人材」に応募させない

 「誰でも大歓迎!」といった間口の広いコピーでは、応募数は増えても、「欲しくない人材」も多く集まってしまう。これは、会社にとっても応募者にとっても時間の無駄。コピーにはミスマッチ人材が集まらない工夫が必要だ。

「当社はチームプレイを重視します」⇒個人プレーに走るなど同僚をライバルと思う人はミスマッチ

「やりたいことにどんどんチャレンジできる会社です」⇒仕事に対して受け身の人、指示待ちの人はミスマッチ

 このように、自社の特徴を開示することで、「これに合わない人は応募しないほうが良い」と匂わせたい。

ポイント③ 応募者の不安を払拭する

 当然のことながら、応募者は多くの不安を感じている。せっかくの「欲しい人材」が尻込みしてしまわないように、不安を察知し、コピーで解消してあげることも必要だ。

 たとえば、

「未経験だけど大丈夫かな?」⇒「経験がなくても大丈夫!大切なのは人の役に立ちたいという気持ちです!」

「ノルマがきつそう」⇒「ノルマなし!目標はチームでの達成を目指します!」

などだ。

 理想ではない人が「自分には合わなそうだから応募しない」、これはとても良いが、理想の人材が「良さそうだけど、なんだか不安だから、やっぱり応募しない」というのは、絶対に回避したい。


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筆者プロフィール

著者 關 友信氏

關 友信(株式会社チームエル)
 株式会社チームエル 取締役CMO。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開開始と同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。

株式会社チームエル https://team-l.co.jp/