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新型スズキS-クロスに採用された発泡補強材「テロソン・構造用樹脂インサート」(テロソンEP1450)を出品【人とくるまのテクノロジー展2022横浜:ヘンケルジャパン】

「テロソンHDF」を使用したスズキ・ハスラーのルーフパネルも展示

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2022/07/26

 2022年5月25~27日にパシフィコ横浜で開催された自動車技術の展示会「人とくるまのテクノロジー展2022横浜」(主催:自動車技術会)で、ヘンケルジャパンは「テロソン・構造用樹脂インサート」(テロソンEP1450)を出品した。

新型スズキS-クロスのバックパネルに装着されるテロソン・構造用樹脂インサート(テロソンEP1450)。左が製造時、右は熱処理後のもの

「テロソン・構造用樹脂インサート」(テロソンEP1450)はエポキシ充填剤をポリアミド樹脂で強化したもの。車両製造時に骨格内部へ入れ、組み立てたのちに熱を入れ発泡させることで、補強材としての役割を果たす。

 そのため鋼板の板厚アップやパイプ・パネルなどの補強材追加よりも少ない重量で、あるいはボデー骨格の板厚を下げながら、ボデー剛性および耐衝撃性の向上、操縦安定性および乗り心地の改善を図ることができる。

テロソン・構造用樹脂インサート(テロソンEP1450)を塗布したフロントヘッダー。左が熱処理前、右は熱処理後

 この「テロソン・構造用樹脂インサート」(テロソンEP1450)は、2021年11月に欧州で発表された新型スズキS-クロスに採用済。リヤのねじり剛性向上のためバックパネルに装着されている。

欧州などで販売されている新型スズキS-クロス

 なおヘンケルは、この「テロソン・構造用樹脂インサート」(テロソンEP1450)を、駆動用バッテリーをホイールベース間に搭載するため車重が重く、重量バランスもICE(内燃機関)搭載車と大きく異なるため、横転時にフロント~センターピラーへより大きな荷重がかかりやすいBEV(電気自動車)に特に有効な技術と位置付けている。

横転後の車体姿勢イメージ図。左がICE搭載車、右がBEV

 そのほか、現行ハスラー以降のスズキ各車に採用されている高減衰マスチックシーラー「テロソンHDF」を使用したスズキ・ハスラーのルーフパネルも展示し、来場者の関心を集めていた。


(文=遠藤正賢 写真=遠藤正賢、スズキ 図=ヘンケルジャパン)

「テロソンHDF」を使用したスズキ・ハスラーのルーフパネル