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スバル・ソルテラ(XEAM10X、YEAM15X)車販のポイントは?【売りたい車図鑑】
駆動方式は4WD一択だがグレード選びはタイヤサイズと「ソーラールーフ」が左右する。最大のライバルは日産アリア
2023/10/07
【車販のポイント】
グレードは標準モデルの「ET-SS」、上級モデル「ET-HS」の2種類。このうち「ET-SS」に、150kW(204ps)と266Nm(27.1kgm)を発する1XM型モーターをフロントに搭載するFF車の設定がある。「ET-HS」は80kW(109ps)と169Nm(17.2kgm)を発する1YM型モーターを前後に搭載する4WD車のみ。
<グレード一覧>
ET-SS(FF)…594万円
ET-SS(4WD)…638万円
ET-HS(4WD)…682万円
「概要」「BPのポイント」「整備のポイント」で前述したものを除いたグレード間装備差は、数こそ少ないものの内容としては大きい。以下にその代表例を列挙する。
スバル・ソルテラET-SS。写真のボディカラーは1L5プレシャスメタル
<タイヤ&ホイール>
ET-SS:
235/60R18タイヤ&18インチアルミホイール(ガンメタリック塗装)+フルエアロキャップ(シルバー+ブラック2トーン)
ET-HS:
235/50R20タイヤ&20インチアルミホイール(ミディアムグレー塗装+切削光輝)
ET-SSの18インチタイヤ&ホイール
<操作系>
FF車:
パドルスイッチ非装着
4WD車:
パドルスイッチ標準装備
<オーディオ>
ET-SS:
6スピーカー(フロント4+リヤ2)
ET-HS:
ハーマンカードンサウンドシステム(専用11スピーカー(フロント6+リヤ4+ウーファー))
ハーマンカードンサウンドシステムの構成図
<シート>
ET-SS:
ブラックファブリック表皮(シルバーステッチ入り)、フロントシートベンチレーション非装着
ET-HS:
タン本革表皮(ブルーステッチ入り)、フロントシートベンチレーション標準装備
<室内照明>
ET-SS:
インナードアハンドル照明、前後席フットランプとも非装着
ET-HS:
インナードアハンドル照明、前後席フットランプとも標準装備
ET-SSのブラックファブリック内装
本稿執筆(2023年10月)時点では注文受付が在庫分のみとされており、受注再開の折には一部改良が実施されると見込まれる。
それが小規模に留まる前提でオススメグレードを考察すると、悪路走破性を重視して設計されたソルテラにおいて、スバル独自の電子制御4WD「X-MODE」を備える4WD車を敢えて選ばない理由は、44万円の価格差を考慮してもなお乏しい。
では「ET-SS」と「ET-HS」、どちらの4WD車を選ぶかになるが、決定的に異なるのはタイヤ&ホイールのサイズ(18インチor20インチ)、そして「ソーラールーフ」の装着可否だ。
今回テストした「ET-HS」はハンドリングに優れる一方、荒れた路面ではBEVに典型的な重い突き上げを、特にリヤまわりから体感しやすい。乗り心地を重視するカーオーナーには「ET-SS」を勧めるべきだろう。
トヨタの試算では年間1750km相当分が充電可能とされている「ソーラールーフ」の発電性能は実際にも高く、自宅あるいは通勤先などの駐車場が屋外のカーオーナーであればその効果を体感しやすいだろう。だが屋内保管であれば、55万円+αのオプション価格を払うだけの価値を見出しにくくなる。となれば「ET-HS」を無理に選ぶ必要もない。
競合車種は国産車が日産アリア。輸入車はフォルクスワーゲンID.4、ヒョンデ・アイオニック5、BYDアット3など。
アリアは前衛的かつ上質な内外装が大きな特徴だが、ソルテラはこれまでICE(内燃機関車)に乗り続けてきたカーオーナーでも違和感なく乗り換えられるよう開発されているため、保守的な高齢者や運転が苦手な女性にも勧めやすい。
またアリアには100V/1500Wコンセントがオプションでも設定されていないが、ソルテラは全車標準装備。アウトドアレジャーを趣味とするカーオーナーはもちろん、高い災害対応能力を求める地域あるいは法人にも積極的に訴求できるはずだ。
なお、姉妹車のトヨタbZ4Xは、本稿執筆時点でリース販売のみ(個人向けは「KINTO」扱い)となっているが、ソルテラは通常の現金orクレジット払いでの購入が可能となっている。
(文=遠藤正賢 写真=SUBARU)
スバル・ソルテラET-SS。写真のボディカラーは3U5エモーショナルレッド2
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