JOURNAL 

    スバル・ソルテラ(XEAM10X、YEAM15X)整備のポイントは?【売りたい車図鑑】

    冷却水は「(トヨタ)純正駆動用バッテリークーラント」、eAxle用オイルは「e-トランスアクスルフルードTE」が指定銘柄

    • #特集

    2023/10/03

    【整備のポイント】
     BluE Nexus(ブルーイーネクサス)とアイシン、デンソーが共同で新規開発した、モーター・トランスアクスル・インバーター一体型の水冷式「eAxle(イーアクスル)」を採用。FF車は150kW(204ps)と266Nm(27.1kgm)を発する1XM型モーターをフロントに、4WD車は80kW(109ps)と169Nm(17.2kgm)を発する1YM型モーターを前後に搭載する。

     モーターの冷却にはオイルを使用しており、そのオイルをラジエータークーラントで冷やす水冷オイルクーラーもeAxleと一体で搭載している。

     駆動用バッテリーはプライムプラネットエナジー&ソリューションズ製。総電力量71.1kWh、セル数96個のリチウムイオンバッテリーのみ。WLTCモード一充電走行距離は「ET-SS」FF車が567km、同4WD車が542km、「ET-HS」(4WD車のみ設定)が487km。

     高負荷走行・急速充電時はエアコン冷媒でラジエータークーラントの温度を下げつつ、低温環境下では水加熱式ヒーターで充電時間の短縮を図るバッテリー温調システムを採用している。

     ラジエータークーラントは高抵抗タイプの専用「(トヨタ)純正駆動用バッテリークーラント」が指定銘柄とされており、それ以外を注入した場合は「駆動用バッテリーの安全性を保証することができない」としている。また、車両から抜き取ったクーラントの再使用は不可。交換手順も従来と異なるため、修理書を参照されたい。

    冷却液が漏れてもバッテリーパック内の部品に冷却液が触れない別室構造を採用した、駆動用バッテリーの冷却構造図と駆動用バッテリー冷却イメージ

     eAxle用オイルは前後とも、低粘度の「e-トランスアクスルフルードTE」が指定銘柄。それ以外のものを使用すると「振動・異音の発生や、故障などの原因になるおそれがある」としている。

     エアコンの冷媒はR-1234yfで容量は720±30g、エアコンコンプレッサーオイルはND-OIL11のPOE(ポリオールエステル)。高効率ヒートポンプシステムと、前席乗員の下腿を遠赤外線で暖める輻射ヒーターは全車に標準装備されている。

    スバル・ソルテラ(4WD車)のモータールーム。補機バッテリーが助手席側・バルクヘッド寄りに搭載されている

     充給電に関しては、フロントフェンダー運転席側に普通充電ポート、同じく助手席側に急速充電ポートを装備。自宅充電は、100V・6A普通充電ケーブルで約0.6kW、200V・16A普通充電器で3kW、200V・30A充電器で6kW(いずれも普通充電ポートを使用)の充電が可能。V2H(ビークルトゥホーム)にも対応している。AC100V/1500W外部給電コンセントは全車標準装備。

     CHAdeMO規格・150kW出力の急速充電器を用いた場合、約30分で満充電量の約80%まで充電できるとしている。

    「ET-HS」にメーカーオプション設定されている「ソーラールーフ」の定格出力は225W。駐車中は駆動用バッテリーを充電し、走行中は補機バッテリーに給電することで、駆動用バッテリーの消費を抑える。

    スバル・ソルテラのパワートレインおよびシャシー透視図。高電圧回路を遮断するサービスプラグはセンターコンソールの下側後部に備わる

     ADASはウィンドシールド上端中央の単眼カメラとフロントグリル内部のミリ波レーダー、前後各6個のソナー、リヤバンパー内側両端の後側方レーダー、前後左右の広角カメラで構成。「トヨタセーフティセンス」のスバル名「スバルセーフティセンス」として、以下の機能を全車に実装する。

    ・プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)
    ・全車速追従機能付レーダークルーズコントロール
    ・レーンディパーチャーアラート(LDA)
    ・レーントレーシングアシスト(LTA)
    ・ロードサインアシスト(RSA)
    ・アダプティブハイビームシステム(AHS)
    ・プロアクティブドライビングアシスト(PDA)

     そのほか、

    ・ドライバー異常時対応システム
    ・ブラインドスポットモニター(BSM)
    ・安心降車アシスト(SEA)
    ・発進遅れ告知機能(TMN)
    ・パーキングサポートブレーキ(PKSB)
    ・アドバンストパーク
    ・スマートリヤビューミラー
    ・パノラミックビューモニター

    を全車に標準装備する。

    スバル・ソルテラET-HS(4WD車)のフロントまわり。単眼カメラはウィンドシールド上端中央、ミリ波レーダーはフロントグリル中央、ソナーはフロントグリル左右に1個ずつ、ロアバンパー左右に1個ずつ、無塗装のサイドバンパー左右に1個ずつ装着される

    「ET-HS」にはさらに「アドバンストパーク」が、スマートフォンの専用アプリで遠隔駐車・出庫が可能な「リモート機能付」となる。

     そのほか、リヤバンパーにキックセンサーを内蔵し、ハンズフリー操作に対応する「キックセンサー付パワーバックドア」を、全車に標準装備する。


    (文・写真=遠藤正賢 図=トヨタ自動車、SUBARU)

    スバル・ソルテラET-HS(4WD車)のリヤまわり。ソナーはサイドバンパーに2個ずつと無塗装のロアバンパー中央に2個、後側方レーダーはサイドバンパー左右に1個ずつ装着される

    ログインして コメントを書き込む
    コメント入力者
    •  
    • ※こちらのお名前がウェブサイトに掲載されます。

    コメント

    投稿する