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【整備のポイント】
　エンジンは標準モデルがL15C型1.5L直列4気筒ガソリン直噴ターボを搭載。先代は6速MT車とCVT車とでスペックが異なっていたが、現行モデルはタービン変更や過給配管圧力損失低減などの改良を受け、いずれも最高出力134kW(182ps)/6000rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/1700-4500rpmに統一された。

　なお、6速MTはストロークがシフト方向に5mm、セレクト方向に3mm短縮。CVTにはパドルシフトおよび減速時＆全開加速時のステップダウンシフト制御に加え、センターコンソール上のスイッチで「ECON」「NORMAL」「SPORT」の3種類から切り替えられるドライブモードが新たに採用されている。

シビック標準モデル（FL1）のL15C型エンジン

　e:HEVは新開発のLFC型2.0L直列4気筒直噴NAエンジン（104kW(141ps)/6000rpm、182Nm(18.6kgm)/4500rpm）と、改良されたH4型フロント2モーター（135kW(184ps)/5000-6000rpm、315Nm(32.1kgm)/0-2000rpm）の組み合わせ。

　こちらのドライブモードは「ECON」「NORMAL」「SPORT」に加え、駆動力特性・空調特性・アクティブサウンドコントロールのON/OFF、EPS（電動パワーステアリング）アシスト量、メーター表示種類を個別に設定できる「INDIVISUAL」も選択可能。また回生ブレーキの効きを4段階から調節できる減速セレクターを実装した。

シビックe:HEV（FL4）のエンジンルーム。ラジエーターサポートは樹脂製

　タイプRはK20C型2.0L直列4気筒直噴ターボエンジンを先代より継続採用しつつ、10ps＆20Nmアップの243kW(330ps)/6500rpm、420Nm(42.8kgm)/2600-4000rpmに進化。組み合わされるトランスミッションは先代に続き6速MTのみだが、ダウンシフト時の回転合わせを自動的に行う「レブマッチシステム」が全段に適用されるようになった。

　またドライブモードは「COMFORT」「SPORT」「+R」「INDIVISUAL」の4種類で、駆動力特性・EPSアシスト量・電子制御ダンパー減衰力・エンジンサウンド特性、レブマッチシステム制御特性・メーター表示が変更可能となっている。

　エンジンオイルはいずれもホンダ純正「ウルトラレオ」が最も省燃費性に優れたエンジンオイルとして推奨されている。エアコン冷媒はHFO-1234yf。

　トランスミッションオイルは標準モデルの6速MT車およびタイプRが「ウルトラMTF-3」、標準モデルのCVT車が「ウルトラHCF-2」、e:HEVが新開発の「ウルトラHEVF-タイプ1」、いずれも純正のものが指定されているので注意が必要。

シビックタイプR（FL5）のK20C型エンジン

　駆動方式は全車ともFFのみで、フロントサスペンションはいずれもストラット式、リヤサスペンションはマルチリンク式。ただしタイプRは先々代、先代に続き、ナックルとストラットを分離した「デュアルアクシス・ストラットサスペンション」をフロントに採用している。

　ブレーキはタイプRのフロント用が大きく異なり、ブレンボ製対向4ポッドアルミモノブロックキャリパー＋直径350mm2ピースディスクローターを先代後期型より継続採用。パーキングブレーキは引き続き、6速MT車を含めて全車とも電動式（オートホールド機能付き）だ。

シビックタイプR（FL5）の前後サスペンション

　ADASに関しては「ホンダセンシング」として、単眼ワイドビューフロントカメラと前後各4個のソナー、リヤバンパー内側両端の準ミリ波レーダーを全車に標準装備。

　衝突軽減ブレーキ（CMBS）、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、アダプティブクルーズコントロール（ACC）、車線維持支援システム（LKAS）、近距離衝突軽減ブレーキ、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、オートハイビーム、ブラインドスポットインフォメーション、パーキングセンサーシステム、後退出庫サポートを全車に実装する。

　標準モデルのCVT車およびe:HEVにはさらに、前・後方誤発進抑制機能、渋滞追従機能付きACC、トラフィックジャムアシストも標準装備している。


（文＝遠藤正賢　写真＝本田技研工業、遠藤正賢）

シビックe:HEV（FL4）のフロントまわり。単眼ワイドビューカメラはウィンドシールド上端中央、ソナーはバンパー左右に1個ずつ、アッパーグリル上端左右に1個ずつ装着される