JOURNAL 

    シネマエンドレス 「マイ ・ ブロークン・ マリコ」

    各漫画賞受賞の衝撃コミックが実写映画化

    • #一般向け

    2022/09/20

     ブラック企業に勤め、鬱屈した日々を送るOL ・シイノトモヨ(永野芽郁)は、テレビのニュースで親友のイカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことを知る。

     彼女の死を受け入れられないまま茫然自失するシイノだったが、大切な親友の遺骨が毒親の手に渡ったと知り、包丁を片手に両親の家へと乗り込み、マリコの遺骨を奪取する。幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けた親友に自分ができることはないのか……。

     シイノがたどり着いた答えは、学生時代にマリコが行きたがっていた海へと彼女の遺骨を連れていくことだった。最初で最後の“二人旅”がいま、始まる。
     
     2020年に発表されるや、圧倒的な熱量と疾走感、「親友の遺骨と旅に出る」という心に刺さるドラマが評判を呼び、第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞をはじめ、各賞を総なめにした「マイ・ブロークン・マリコ」(著:平庫ワカ)が待望の実写化。主人公・シイノ役を永野芽郁が熱演する。

    (C) 2022 映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会

    筆者の推しどころ

     絵に描いたような典型的なブラック企業で働き、口は悪く、小汚い中華料理屋でラーメンをすすり、喫煙所ではセブンスターを吸い、養命酒を愛飲し、親友のことをダチと呼ぶ。そんなガラは悪いが実は根は優しいシイノ。

     原作を読んでいた筆者はそんなシイノをあの可愛らしい永野芽郁が演じることに違和感を抱いていたが、そう思っていた自分が恥ずかしくなるくらい完璧にシイノを演じる。

     自分を含めた多くの人が抱くであろう「永野芽郁」像を見事にブロークンし、「女優・永野芽郁」を強く感じさせられる作品。シイノとマリコの小学校、中学校、高校、現在を巧みに交錯させ、キャラを深掘りし、タイトルのブロークンは何を意味しているのかを提示する脚本も見事。
     
     感受性が豊かで作品の影響を受けやすい筆者は、月末月初はマイ・ブロークン・アオヤマになるのだが(?)、永野芽郁のシイノの生き方があまりにもまぶしすぎて、思わずセブンスターを買いに行ってしまったほどである。

    (C) 2022 映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会

    マイ ・ ブロークン・ マリコ
    監督・脚本:タナダユキ
    ハピネットファントム ・スタジオ/KADOKAWA配給
    9月30日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

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